納期に間に合わない場合にする法 その1

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「10月1日稼動が絶対条件である」

よく聞く話です。

誰から聞くかというと、自社(開発会社)側の営業だったり、
自分の上司だったりするわけです。

そして、SE・プログラマは必死になり、土日かまわず、
夜も徹して作業を行うことになる。

これもよくある、というか、あり過ぎる話でしょう。

しかし、それでも間に合わない。

こういった場合は、特に間に合わない方が普通なのです。

土日や夜を徹してやったから、間に合いました。

というのは、例えば1週間の納期のプロジェクトを、5日でやれ
といわれたときなどには有効でしょうが、
1ヶ月以上といったスパンのプロジェクトでは、どんなに頑張っても、
「休まず長時間労働する」ことでスケジュールのリカバリはできない、
と思うべきです。

そして、SEは「間に合わない」ということに、すぐ気づく。

実は、1ヶ月のプロジェクトで3週間たってから気づくということも珍しく、
普通は1週間かそこらですぐ気づきます。

彼は、上司に報告する。

「どうも例のプロジェクトですが、遅れていまして、
間に合いそうにありません」

すると、たいていの上司は、ここで言うわけです。

「何、言っているんだ。今更、間に合わないとは、先方に言えない。
先方は、絶対に10月1日の稼動が条件だとおっしゃっているんだ。
これは、社長案件なんだ。人を増やすとか、なんとか調整してやってくれ」

そして彼は、ぐっと押し黙り、数秒の沈黙の後、言うのです。

「わかりました。できるだけやってみます」

「そうか。頑張ってやってくれ。できるだけの援助はするよ」

さて、この結果、このプロジェクトは間に合うでしょうか。

「無理」

そうです。客観的に見れば、彼は、「できます」とは、
答えていないわけです。

しかし、この業界のどこにでもこういう話は転がっています。

では、どうすればいいのか。

まず、ありとあらゆるパターンがあるということを前提にしてください。
納期遅れには、1つの解があるというわけではないのです。

そこで、何回かに分けて幾つかのパターンをご紹介していきたいと思います。

今回は、大前提です。

1.絶対だ。と誰かが言ったことについて裏を取る。
 特にそれが自社の誰かや、お客さまの担当者以外の誰かであった場合は、
 お客様の真実の状況や思惑を探る。

ということが、前提として必要になります。

つまり、「本当に、先方の会社は、10月1日稼動が絶対条件なのか?」
ということから考えてみるのです。

これは、もう人脈や裏技しかありません。
取引先との間に、別の会社の営業が入っているような場合は、
なかなか探りにくいものでもあります。

しかし、一番大事なことは、自社の上司なり営業にとにかく頼み込んで、

「最低限、どこまでの機能が必要なのか?
そして、それはどういう運用を考えてのことなのか?
どういう理由でその納期なのか?」

といった、本稼動回りの詳細スケジュールを、
聞き出してもらうしかないのです。

実際のところ、10月1日は、ただ「本稼動開始」という目標日であって、
テープカットだけが行われ、システムが稼動するのは、
次の月曜かもしれません。

それも、きちんと動かないのであれば、
11月にずらしてもいいとお客様は思っているところを、
営業が売上を10月に上げたいが為に、
「絶対」と言っているのかもしれません。

また、逆に期首年月日であるため、そこから新システムによる入力を
行っていかなければ、旧システムが無くなってしまうため、
お客様の営業に支障が出る、ということなのかもしれません。

ただ、一般的に言えることは、ある意味でお客様も、そして営業も上司も、

「万が一、間に合わなくても、こうすればいい。この期間がある」

というバッファを持っている場合がある、ということです。

「絶対」といわれたことを真に受けるのではなく、1回や2回、
その背景、何故その納期が絶対なのか?、
その詳細なスケジュールはどうなっているのか、を
知ることから始めましょう。

納期に間に合わない、となったときには、
どんなに全力を出しても、どんなに人数を増やしても、
無駄な努力とは言いませんが、そのスケジュールを短くするのは、
非常に難しいものです。

「頑張ろう」ではなくて、
「どういうことが出来るのか、そのパターンについて、
アイデアが浮かぶように情報収集する」ことを、したいものです。

また、この作業は、出来れば「間に合わない」と気づいてからではなく、
もっと前からやっていること、更にいろいろな人間関係を築くことを、
常日頃から心がけていくことで、もっと楽にできるようになるのです。

次回は、「納期に間に合わない場合にする法 その2」をご紹介します。

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