納期に間に合わない場合にする方法 その2

| トラックバック(0)

さて、先週は、納期に間に合わない場合にする方法として

「納期についての、最新の詳細情報を得ること。そしてそれは、
出来るだけプロジェクトの顧客側のキーマンに近い情報を得なさい」

ということを話しました。

もちろん、これは、納期までに、まだ数ヶ月、
システムの大きさにもよりますが、
少なくとも数ヶ月以上は余裕がある場合の話です。

納期が近くなればなるほど、情報を収集するよりも、
キーマンに率直に報告することが必要となるからです。

そういった意味で、
真の納期情報を得るのに何日もかかったりするのも、もちろんNGです。

実際のところ、顧客のキーマンにまで
「実は遅れています」
という報告が届くためには、かなりの日数がかかるものです。

このことについては、
「重要な話は、一番偉い人に一番最後に届く」
という○○の法則に従った原理なのかもしれません。

(マーフィーの法則ではないですよね。)

それは、開発側が、
「なんとかしてスケジュール遅れの挽回が出来るはずだ。
出来る限りのことをしてからでなければ報告できない」と思っていたり、
一技術者の立場として、もしくは、請け負った会社の立場として
「到底そんなことは言えない」
と躊躇していたりして、
知らずに何日かが経ってしまうことがあるのです。

また、開発側の社内でさえ、
「報告したのに、営業に伝えても動いてくれない。課長に伝えても動いてくれない」
といったこともあるでしょう。

そこで、大きな組織では、誰にどう情報を伝えるのか、誰を動かすのかといったテクニック、
これを政治力というのでしょうか。そういうものをSEは持つ必要があるのでしょうね。

話が横に反れてしまいました。

では、納期まで日数はあるけれどもスケジュールが遅れている、
という場合に、どういう方法があるかということを話したいと思います。

よくあるパターンから行きましょう。

1.開発チームの人を増やす

本当に、これが一番よくある対処法だと思います。

「プロジェクトには人を増やせば納期短縮できる」
ということも、もちろんあります。

例えば、単純労働をSEやプログラマから奪えばいいのです。

システム開発というのは、思ったよりも、
単純労働に近い作業が、まだまだあるものです。

これをアルバイトなり派遣社員を雇って、お願いするのです。

ただ、遅れている作業が
「経験ある技術者」でなければできない仕事である場合、
これは新しく参加する人のキャリアと技能、やる気に関係します。

本当にできるプログラマは、
普通のプログラマの7倍の生産性があると言われていますが、
2倍くらいの能力がある人は、
お金を用意すれば、なんとか、いるものだと思います。

もちろんコストも2倍か、それ以上かかると思いますが。

それでも、こういった技術者を探し出すことができるのであれば、
本当にそのシステムはラッキーでしょう。

なぜなら、居るとしても、そういう技術者は、滅多に空いていません。
貸してくれません。
だから2倍ではなく、せめて1.2倍から1.3倍の人、
そしてキャリアが長く、モチベーションの高い人を見つけましょう。

ここでお金を考えてはいけません。
・・・・もちろん、これが常にプロジェクトを赤字にする要因だとしてもです。

SEを急遽、増やさなければいけない場合には、
同じシステムの業務経験が豊富なSE、もしくは、トラブルを乗り越えた経験が
あるSEが良いでしょう。

プログラマを増やす場合は、本当に残された期間次第となりますが、
1ヶ月しか残っていないのであれば、どんなにキャリアがあっても
その言語に慣れていない人は無理でしょう。

一方、2,3ヶ月以上開発期間が残っていれば、
むしろ同じ言語だけ、3年やってきたプログラマよりも、
その言語を使ったことがないが、複数の言語を経験していて、
10年以上のキャリアを持つプログラマを選ぶでしょう。

なぜなら、わたしの経験では、既にサンプルがある場合、
できるプログラマが新しい言語を習得してペースに乗るのは
3週間くらいあれば十分だと思うからなのです。

もちろん、3年と10年のプログラマがセットで手配できたら、
2人で補い合えるから、もっといいでしょう。

しかし、SEやプログラマを増やすことは、
意味がないどころか、足を引っ張ることになりかねないのです。

技術者と一言でいいますが、その意識や技術には、あまりにも違いがありますし、
こういったトラブルのときに良い技術者にめぐり合えるチャンスは、かなり少ないのです。

2人の人間がコミュニケーションを取る場合は1本の線だけれど、
3人の人間がコミュニケーションを取る場合は3本の線、
4人では、6本になるということ。
つまりコミュニケーションは、人が増えると相乗的に増えるということが言われています。

せっかく技術者を増やしても、新しく入った人を教育・指導する為に、
現在の技術者の生産性が落ちたりするものです。

 結論:まだ開発期間が数ヶ月以上残っていて、良い技術者が手に入るのであれば、
    人を増やすというのは良い選択である。しかし、それ以外の場合では役に立たない。

もっと続けたかったのですが、長くなってしまいました。

このテーマは奥が深いですね。この続きは次週で。

トラックバック(0)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.softhouse-senmon.com/mt/mt-tb.cgi/19

広告掲載について

制作・運営会社:
株式会社アイロベックス

〒160-0022
東京都新宿区新宿5-17-5
ラウンドクロス新宿5丁目3F
TEL : 03-3232-2525
FAX : 03-3232-2520
お問い合わせ
個人情報保護方針について