納期に間に合わない場合にする方法 その5(最終回)

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納期に間に合わないことがそんなに多いのか?と言われれば、
大規模開発であればある程、間に合わないことが起きる確率は高くなり、
また、どんなに小さな開発でも、複数の人間が、数週間掛けて行う仕事であれば、
遅れることは日常茶飯事なのです。

では、何故、遅れるのでしょうか?

1つに、システム開発の見積もりは、人月(にんげつ)で見積もるものであり、
技術者が何人で、何ヶ月掛かって、幾ら、という見積もりだからでもあるのです。

見積もりの際、プロのスポーツ選手のように、代役や、
補欠を用意しておくことは許されず、システムの難易度についてのリスクは
入れたとしても、開発要員が、体力的にも精神的にも、フルで参加できる
という想定の見積もりとなっているのです。

そこで誰か1人が病気になったり、私的事情で抜けても、
スケジュールには大きな打撃を受けるのです。

また、お客様は、システム開発会社の業務について
理解してくださらないことが多く、
例えば、
9月末日までが打ち合わせ工程であり、10月1日から開発作業に掛かる、
というマスタスケジュールでやっていたとしても、
「社内で調整がつかない」
「決断できない」
「他の業務で手一杯になった」
「出張が入った」
 ・・・・
などという、ありとあらゆる様々な理由により、
打ち合わせ工程が、10月までに終了しないことがあるのです。

ところが、本稼動納期は全く変更できない
ということが多々あるのです。

システム開発側は、打ち合わせ工程の間は万難を排して、
スケジュールを伸ばさないように努力するのです。

それは、お客様と約束した稼動納期に間に合わせるためでもありますし、
自社の開発チームが、作業が始まるのを今や遅しと、
口を開けて待っているからでもあるのです。

10人の技術チームが予定を空けて待っているのであれば、
1ヶ月のスケジュールの遅延は、100人月の原価の持ち出しになってしまうのです。

そんなわけで、納期に間に合わない場合にする方法を書いて参りましたが、
実際には、開発会社というのは、品質を確保しながら「納期に間に合わせること」
というのが、各プロジェクトの絶対条件であるはずなのです。

「時は金なり」

この言葉が痛いほど、ひしひしと感じられるのが、開発の現場なのです。

だからこそ、他の業種と違ってIT業界の技術者は「サービス精神が無い」、
「何か人種が違う」と言われることがあるのかもしれませんが、
それでも、技術者たちは、骨身を惜しまず
日々、品質と納期を守るために努力しているのです。

「狼を撃つ銀の銃弾はない」
と、フレデリック・P・ブルックス Jr.が、
「人月の神話」で書いてから、20年以上も経っているのに、
同じことで悩み立ち止まっているのです。

これについては、ウォーター・フォール・モデル(システム開発手法)の問題とも
言われていますので、次回は開発方法について書く予定です。

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