予測できる失敗

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プログラマでもSEでも、開発会社の技術者であれば、
納品後のシステムで「バグ」が発見されたという経験はお持ちのはずです。

お客様から「困った声」で連絡があるときもあれば、
いきなり、営業を通じて叱責の連絡が来ることもあったでしょう。

事態は様々ですので、一概には言えませんが、
それでも、バグが発覚した場合の発言、行動から、
お客様は、あなたという人間の誠実さを見るのです。

若く未熟なプログラマは、時に言ってはいけない言葉を
発してしまいます。

「ちょっとしたミスです」
「すぐ直せます」

まず、当たり前のことですが、
プログラマにとって、例え、「ちょっとしたミス」だとしても、
「ちょっとした」とか「些細な」といった形容詞は、
明らかにお客様に失礼な発言です。

一番最初にしなければいけないことは、
「大変、申し訳ありません」と、お詫びすることなのです。

次に、「すぐ直せます」という言葉。
これは、相手が「どのくらいで直せるの?」と
問われたことに対する回答であれば、問題はありません。

しかし、相手が聞いてもいないのに、最初にこういう言葉を発すると、
「悪いと思っていない。直せばいいと思っているんだ」
といった誤解を受けることもあるでしょう。

お客様が、システムに何か問題を見つけたときに考えることは、
「すぐに直す」ことではないのです。

それは、このバグによって
「何が問題になるか?」
「業務のどこに支障をきたすか?」
「システム全体に、どんな問題が潜んでいることが分かったか?」
といったことなのです。

優先順位としては、

 1.お客様の取引先に迷惑が掛からない
 2.お客様自身の業務に支障をきたさない
 3. 問題が起こった原因を探る
 4.問題をつぶす

といった順になるはずです。

ところが、この優先順位の1、2を全く無視して、
(お客様の視点で、物事を考えたことがないからだと思うのですが)
問題の原因を探りたい、プログラムを直したい、
という気持ちだけが先走るのが、技術者の悪習なのです。

原因を追究することよりも先に、
これ以上の被害を出さないためには、どう運用を変えるのか?とか、
最悪、システムを止めることさえも、
技術者が、自ら提案すべきことなのです。

技術者は、何があっても、「システムを止めてください」と言わない、
言えない人が多過ぎます。

バグが潜んでいるシステムを使い続けることは、
お客様にとって、多大なストレスになります。

そういった意味でも、システム稼動後のバグ発見は辛い話です。
できれば、
"バグゼロ"にしてシステム納品を行いたいものです。

しかし、人間が作っている以上、バグがあることは明らかであり、
「予測できる失敗」なのです。
予測できることなのであれば、対処を考えておく必要があります。

対処を考える場合の優先順序こそ、
お客様の視点で考えることが必要なのです。

何か問題があったとき
まず、お詫びする。

そして、
お客様の視点で、
「どうすべきか。どう動くべきか。どうアドバイスするか」
を考えるのです。

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