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Movable Type Publishing Platform 4.01
プロジェクト管理
顧客の何を知っているのか?
若手エンジニアと、
仕事のポイントについて話す機会がよくあるのですが、
「顧客が言ったものを、そのまま作ってはいけない」
とアドバイスすることが何度もあります。
若手エンジニアの特徴として、
何でも顧客に聞いてしまうということが挙げられるでしょう。
一つ一つ聞いて、一つ一つの答えを貰ったら、
その通りに作ればよい、と考えてしまう人が多いのです。
設計をチェックしていて、まずい部分をみつけ、
「どうしてこう作ったの?」
と質問すると、
「お客様がそう言われました」
と頑として退かない技術者もいます。
つまり、
自分の頭で考えた結果ではない、
プロとしてそれが良い設計なのか悪い設計なのか、
必要なのか不必要なのか、
といったことを考えないで、
顧客が言った通りに設計した、というわけなのです。
ここには非常に大きな問題が潜んでいます。
それは、
「顧客がどんなシステムが欲しいのかを、本当に分かっているか?」
ということです。
技術者の質問に対して、顧客が答えるといったやり方では、
本来の顧客の日常の全貌を、
技術者が理解しないで作ることもあるのです。
また、一つ一つの答えを結びつけてつくったシステムでは、
組み合わせに問題があることに気づかずに、
運用がうまくいかないこともあるのです。
顧客が考えているのは、
「相手は、なんといってもプロだ。
分かってくれて、うまく作ってくれるだろう」
ということなのです。
ここを開発側がどれだけ分かっているかが、ポイントとなるのです。
顧客にOKを貰っていようとも、
ドキュメントを確認して印を貰っていようとも、
実は、本当のところ、
どんなシステムが出来上がるのかは、
顧客が分かっていないことが多いというのも、事実なのです。
顧客が望むシステムをイメージできていないとしたら、
プロである貴方はどうでしょうか?
実は、貴方は顧客よりも、もっと、
実現したシステムのイメージが無いのではないでしょうか?
だから、
一つ一つ細かなことを全部顧客から聞かなければ、
設計できなかったのではないでしょうか。
では、プロとして、SEとして、
何を聞き出したらシステムをイメージできるのでしょうか?
何だと思いますか?
それは、
顧客の業務内容、
日常の顧客の行動パターンや思考パターン、
課題・問題を含めた、日常の些細なこと全てです。
それらについて知っていなければ、
システムをイメージできないでしょう。
システムを作るということだけを目的に、
一つ一つを顧客に質問し、
顧客に選択してもらって設計するという作業が、
どんなに怖い作業かおわかりでしょうか?
貴方は、顧客の何を知っているのか?
システム設計者に求められる最終的な責任は、そこだと思うのです。
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