SE促成栽培その1「日時」について考える

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さて、これから数回に掛けて、
システムエンジニアを目指しているプログラマ、
そして、SEの若手に向けて、
基本中の基本の考え方について紹介したいと思います。

今回は、その1「日時」についてです。

最近のシステム開発は、分析系システムであったり、
ECサイト系の開発が多いのでしょうから、
日時というのは、常に、リアルタイムの年月日、
時刻を意味することが多いのでしょう。

そんなシステムばかり組んでしまうと、
会計システムや販売管理システムといった、
基幹業務の年月日についての感性が、
育たなくなってしまうことが少し心配です。

そこで、知識だけでも、「日時」について考えてみたいと思います。
本当に初心者向けの当たり前のことばかりですので、
キャリアが3、4年以上ある方は、読み飛ばしてください。


●日時には、今、そのとき、その瞬間という意味と、
 過去のある日時を意味する場合がある。

例えば、Aイベントホールの座席表を考えてみましょう。
予約受付システムを請け負った貴方が考える予約済の座席数、
これは、お客様や担当者が画面照会したその瞬間、
つまり、今現在です。

1秒後には数が違う可能性があります。

一方、あるイベントは、11月15日受付分までを
先行予約分として、チケット料を10パーセント値引きすると
宣言していた場合はどうでしょうか。

この場合、予約済数が分かるだけでなく、
値引き販売数もシステムで把握する必要があります。
例えば、11月26日昼13時現在の予約済数が623名で、
11月15日までの受付分は、324名であるという、
過去のある時点までの集計値をとっておく必要があるわけです。

もちろん、ハードやデータベースの性能が十分にある場合は、
集計値をデータベースに項目として持つ必要はなく、
クエリで、日付範囲指定で集計すれば大丈夫ということもあるでしょう。

しかし、次の場合はどうでしょうか。

B社では経営会議が毎月開かれています。
営業の月間成績表は、翌月3日には集計され、
その表を基に5日に経営会議が行われます。

項目として、月間受注金額、(半期)累計受注金額、
受注残金額が載っています。

Cさんの10月の営業成績は、
 ・月間受注金額          1600万円
 ・(半期)累計受注金額   1600万円(10月は半期の初めの月です)
 ・受注残金額       4300万円
であったとします。

11月は、
 ・11月30日までの新規受注金額 700万円
 ・受注から売上になった金額  2300万円
ありました。

ところが、10月に受注した案件でトラブルがあり
 ・400万円が受注取り消し
となってしまいました。

しかし、
 ・12月2日付け新規受注金額   3200万円
取ることができました。

さてCさんの12月3日に出した営業成績表はどうなるでしょうか。

<答え>

 ・月間受注金額          300万円 (700-400)
 ・(半期)累計受注金額   1900万円
 ・受注残金額       2300万円

ここで注意すべき点は2つ。

11月の帳票でも、10月の訂正分は、マイナスされるということ。
受注残金額といった、一瞬の残を表示するようなものも
固定月報に印刷する場合は、11月末日を締として、
翌月分の日付の伝票は集計しないということです。

特に、経営会議で検討するような表には、
リアルタイム性よりも、月間、月間で積み上げた場合に
正しい合計となるものが求められます。

もちろん、ここで集計のキーとなる日付は、入力年月日ではなくて、
伝票年月日(受注伝票であれば、受注年月日)です。

こういった、「伝票」としての業務の集計方法を覚えておきましょう。

そして、これらの数値は、何ヶ月後に見ても、
常に同じ値が表示、集計されることが、
ほとんどの場合必要となるのです。

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